第二回鉄子の日記 「センチメンタルテツコ」 ○月△日（晴） 今日もダイブに珠恵を迎えに行った。 そしたら、すごい事実に気づいた。 部室に新入部員がいる。 しかも二人。 自分の目を結構疑った。 あそこに入りたがる輩がまだ存在していたなんて…。 世の中って地味に広いって事を再認識しつつ。 彼らを見る。 …ぬ。 糸目の方は、オーラがもうアキバ系。 でも、もう一人はちょっと違う感じ。 確かに怪しい袋を抱えて、笑顔でダッシュしそうではあるが…。 何だろう、私的によく分からない第一印象。 ･･可もなく、不可もなく？ それも、違うか。 ちなみに、何処かで見た気がするのは気のせい？ チラ　＞＞＞　視線の先に珠恵 珠恵は、この２人をどう思っているんだろう。 たぶん、好意の目でしか見ないんだろうな。 そういう子だし。 まぁ、どちらにしても…。 もし珠恵を困らせるようなことがあれば、私が速攻で報復。 これだけは譲れない。 むふ、私って、まるで闇夜の商売を受け持つ仕事人。 ちょっとかっこイイ。 などと、思ってたらＫＴがブツブツ言いだした。 何やら今日は新しいゲーム（しかも発売前）を持ってきてるらしい。 …すでに皆でプレイをはじめるし。 ……。 ……。 私は、別にゲームに興味はない。 見ていてもつまらない。 ……。 ……。 少しやってみたくなって来た。 ……。 ……。 でも、皆ここまで白熱してるし、いまさら「私も」とは言い出せない。 …第一、私…アキバ系じゃないし。 ……。 …あ。 …私に？ …どうしよう。 糸目じゃない方の新入部員が、私にコントローラーを差し出してくれた。 何か複雑。 …。 やっぱりお断りしよう。 ここで恩を売ったと思われるのがイヤ。 …疑惑しか出てこない私ってヤバイのだろうか。 ともあれ。 もう遅い。 条件反射発動。 気づいた時には冷たくあしらっていた。 ……。 仕方ないか。 こいつもアキバ系。 アキバ系は優しい顔をして私をだます。 前だって…。 ともかく、私にとって特別なのは珠恵だけ。 例外は無い。 今回のことは私の方が悪者くさくても、それは「必要悪」 ……。 …でも。 …ちょっと反省。 今日はそんな一日。

Ｃｏｐｙｒｉｇｈｔ（Ｃ）　２００３−２００４　Ｇ．Ｊ？　Ａｌｌ　ｒｉｇｈｔｓ　ｒｅｓｅｒｖｅｄ．